コラム

2018.11.12

家紋分類~今後の調査・研究に期待~


家紋はその名の通り「家の紋」ですが、紋章を含む総称として用いられることもあります。
紋の分類としては、大別すると5つに分けられます。

(1)家紋

各家で継承される紋を「家紋」と呼びます。
複数の家紋を持つ家では、代表の紋を「定紋」(本紋・表紋・正紋)とし、その他の紋を「替紋」(裏紋・別紋・控え紋)と呼びます。

(2)屋号

主に商用で用いられる紋のことを「屋号」と呼びます。
企業や各種団体のロゴなども、分類としては屋号に含まれます。

(3)寺社紋

寺院や神社が用いる紋のことを「寺社紋」と呼びます。
寺院では宗派を示す宗紋を使用することも多くあり、これらの寺社紋を家紋とする家もあります。

(4)役者紋

歌舞伎や長唄、落語などの芸能に関わる人が使用する紋を「役者紋」と呼びます。
この場合、役者としての紋と、個人としての紋が異なることもあります。

(5)沖縄紋・アイヌ紋

沖縄県には「ヤーバン」(屋判)と呼ばれる家の記号があり、またアイヌにも独自の紋章文化があります。

他には、女性だけが使用する「女紋」や、誰でも使用できる「通紋」、逆に特定の家や個人しか使用することができない「独占紋」などもあります。
家紋は総数が5万種類以上(一説には20万種類以上)あり、この分類では分けられない紋もまだまだあるかもしれません。
今後のさらなる調査・研究を進め、詳細な分類を生み出し、今後の家紋文化の発展に貢献したいと考えています。

家紋研究家・森本勇矢

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