器材・建造紋輪寶紋

輪宝はインドで伝説の理想王・転輪聖王が用いる武器とされています。
その起源には諸説あり、ヒンドゥー教のインドラ神の力を象徴する戦車の車輪とする説や、世界を照らす日輪とする説、古代インドで用いられた輪状の投擲武器・チャクラムとする説などが存在します。
この武器は転輪聖王が出陣する際には、自ら前進して敵を破るとされており、その特徴が仏教に取り入れられ、仏の教えが人間の迷いや悪を打ち破り追い払うことを「法輪」と呼ぶようになりました。
その後、法輪は仏教の教義を示すものへと変化し、八方向に教えを広めるために輪宝の形を模した車輪形の法具として具現化されました。
文様としての歴史も古く、日本には仏教伝来とともに伝来したといわれています。現存する最も古い文様は、薬師寺にある薬師瑠璃光如来像の足に描かれています。
家紋としては、仏教に対する信仰的意義をもって用いられたと考えられており、古代朝鮮からの渡来神・天之日矛（あめのひぼこ）の後裔を称する三宅氏の代表紋でもあります。
岡山県、兵庫県、大阪府などへの分布が多く確認できます。